BOFXV 注目チーム紹介 番外編(1)一人チーム

なんか今年は自分の執筆スペースが遅いような気がしてきたんで、もう5回ごとに区切って番外編を挿入したいと思います。
今年は6つもBGA担当したんだ ゆるしてくれ ゆるしてくれ
去年は番外編一個だけで終わっちゃったから、せめて二回以上は取り上げたいよね。

ということで番外編では一つのチームについて取り上げるのではなく、ある一つのテーマに添って複数のチームを紹介していきたいと思います。

今回のテーマは「一人チーム」
「一人チーム」とは、その名の通り、チームに登録する全てのBMSにおいて、サポートを除いたBMS制作過程を一人で済ませたチームのことを指します。
(BOFU2015以前の従来のルールだと)3つもBMSを作らなければならなくて大変、というデメリットが目につきやすいのですが、相反して
・チームメンバーを集めなくても参加できる
・他者に依存せず自分のペースで作れる
・チーム名を独断で決められる
・なんならエース曲も独断で決められる
などのメリットもあります。

また、先ほどあげたデメリットについてですが、今年はチームの最低登録BMS数を2つに設定できることによりデメリットが多少緩和され、一人チームを組む敷居がより低くなったと見れます。


ちなみに、これまでのBOF史において数多くのBMS作家が一人チームを経験しています。
有名どころの例をあげると、
・cybermiso
 さばみそ王国の崩壊(2012)
・Hate
 nowhere(2009)
・Is-m
 endless music +(2016)
sasakure.UK
 ササクレイション(2008)
・Shaman Cure-All
 Shaman Cure-All(2011)
・Silentroom
 LAD(2013)
 SILENTROOM(2017)
・tigerlily
 STR(tigerlily mix)(2009)
・xi
 小麦粉か何か(2009)
・ルゼ
 なまえをいれてください(2009)

そのうち、BOF初参加時に一人チームだったのが
Nardis
 simple smooth(2010)
NIKITA
 Amazing cats(2013)
・Sakamiya
 天霧ル狐月(2015)

さらに、一人チームでチーム合計値部門優勝経験が
・SHIKI
 友達なんか要りません(2008)
・削除
 3ight(2011)
LeaF
 孤高クローバー(2016)

最多一人チーム経験が
・q/stol
 押してダメなら法的措置(2012)
 クラブミュージック飽きた(2013)
 白に映る色相。(2015)
 Re/Imagine(2016)

などなど、一人チームにまつわる奥深い歴史が残されています。


以上の一人チームに関する概要を踏まえて、BOFXVに参加表明している一人チームのうち、気になるところをいくつか紹介していきたいと思います。


Sound Souler

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韓国出身のBMS作家Sound Soulerさんによる、(G2R2018を除いて)2016年より続く自身の名前を掲げた一人チームです。
Sound SoulerさんはDrum'n'bass、Trance、Future Bassなど様々なダンスミュージックに手をかけていますが、氏にとって最も武器となっているのは本格的なBigroom Houseでしょう。
BOFU2016にて「3rd Avenue」が個人スコア部門13/605位、BOFU2017にて「D̵̤͗ḛ̷̇a̷̫̓d̶͉́ ̵̜͐S̷̲̋o̵̤̒ǔ̵̠l̶̰͌」が個人スコア部門10/483位とBigroom Houseにおいて高い成績を取り続けています。
www.youtube.com
www.youtube.comD̵̤͗ḛ̷̇a̷̫̓d̶͉́ ̵̜͐S̷̲̋o̵̤̒ǔ̵̠l̶̰͌は後にロング版がGroundbreaking 2017に収録されます。
また、Sound SoulerさんのBMSにはギミック譜面が同梱されることも要注目ポイントです。
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r

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チャームポイントはMSペイントで5秒で描いたかのような笑顔、名義を小文字のアルファベット1文字で済ませることで、エゴサする道を完全に捨てたBMS作家、rさんによる一人チームです。もちろんチーム名も「r」とあまりにもミニマル…

TwitterなどのSNSアカウントで得た情報だけだと、我ながらひどい紹介文になってしまいましたが(すみません)、その実力を侮ってはいけません。氏は今年行われたBMSイベント「第16回自称無名BMS作家が物申す!」にて4/37位を獲得、そのときのBMS「Knider」は、近年MALVA.さんやChicala_Lpisさんにより築かれた少数民族BMSムーブメントを継ぐ作品となっています。
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民族音楽以外にも、J-core、Drum'n'Bass、Downtempoなど作風の広さが伺えます。今後の活動に期待できる新米BMS作家ですね。


BBコーポレーション

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こちらもrさんと同じく無名戦16出身、且つrさんと同率4位という、無名戦史上あまり見られない上位で同じ順位を獲得したBMS作家BBBBさんによる一人チームです。そしてBOFXVではrさんと同じく一人チームで参加しています。実はライバル心が自然と生まれていたりとか?(適当)(めんどくさい設定厨)

氏が名を馳せたのは無名戦16登録作である「The Viking」、BMSとは思えないガッチガチのオーケストラ楽曲につき、登録順が滑り込みの一番最後という状況にも関わらず、徐々にスコアを伸ばして他の作品を追い上げていき、最終的には4位という高成績を獲得しました。評価期間最終日付近には「海賊がやってきたぞー!」という声が上がったとか上がってないとか。

オーケストラ系BMS作家は今や貴重な存在!こちらも今後の活動に期待できる新米BMS作家です。


中野佳世の素敵な休日

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昨年突如現れた謎多きBMS作家、Qayoさんによる一人チームです。
氏の存在が確認されたのはG2R2018。アニメ「鹿楓堂よついろ日和」のOPテーマを制作したプロ級の作曲家、テヅカさんのBMS「ニニ」の音切り・譜面制作・一部FX追加担当で参加という、これまでに見られない形でデビューしています。
その後、無名戦16に単身で出場。そのときの登録作「Happy New Sky」は、楽曲・BGAともに黎明期に作られたBMSと言っても疑われないような懐かしめ作風であり、且つ例年の無名戦出場者にはあまり見られない登録期間開始即登録スタートダッシュをキメてくるなど、異様に手慣れた振る舞いで話題となりました。
てか無名戦16出身で一人チームやってる人多いな!
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その後、BMSイベント「第二回BMS衆議院選」にも出場。そのときの登録作「Repeat⇔Again」は前作と比較してDTM技術が10年進歩したかのようなクオリティでまたしても話題を掻っ攫いました。
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このことから、氏の正体は「ベテランBMS作家の偽名」「異様に充電期間が長かった古参BMSプレイヤー」「テヅカさんが忍んでBMS制作に勤しむための偽名」などと推察されています。

氏の詳細な歴が判明するときは来るのでしょうか?(いろんな意味で)今後要注目のBMS作家です。


Aliesrite*

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BOF史上屈指の名チーム「Maple Brit's」はYm1024・HOUJIROU・yassuの三人から構成され、BOF2005からBOFU2016まで変わらないメンバー編成で出場し続けていました。しかし、プライベートの多忙などの原因により2017年にはyassuさんが、2018年にはHOUJIROUさんがBOF参加断念と一人ずつメンバーが抜けていき、とうとうYm1024さんのみが残されました。それでもなお、BOF2005からG2R2018まで休むことなく出場という記録を旨に、 今年のBOFにも参加されます。
———Aliesrite*はYm1024さんによる一人チームへの挑戦、もといボーカリストlamie*さんによるユニットプロジェクトです。

Ym1024さんはJ-POP BMSの金字塔です。「BMSでJ-POPといえば」と問われれば氏の名前が多くあげられるでしょう。「started」「7 colors*」のような王道のPOPから、「Future MUSiC」「Linkager」のようなクラブミュージックを複合させたPOPまで、様々なスタイルでJ-POPを制作しています。特に「started」は現在と一つ前の段位認定初段の一曲目であることから、BMS始めたての頃にお世話になった人は多いのではないでしょうか?(BMS始めた頃からある程度腕前があった人は知らん!)
また、BOF系列に乗じて、WEBアルバム企画Groundbreaking開始当初から2018年まで皆勤で参加していることでも名を馳せています。GroundbreakingにおけるJ-POP枠はYm1024さんにより今年も死守されるのでしょうか。