【#MA_2021】オススメBMS紹介

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mumeiacademy.com

BMSを制作し始めてまだ日が浅い、またはBMS制作が初めてである、いわゆる"無名"のBMS作家を掘り出すことに焦点を当てたBMSイベント「自称無名BMS作家が物申す!(通称:無名戦)」。そして、複数BMSを制作して名前もそこそこ認知されるようになったが、BMSイベントにおいて中々良い成績を出せない、いわゆる"空気"なBMS作家が空気を脱却することに焦点を当てたBMSイベント「A-1 ClimaX」。この二つのイベントは2017年あたりから同期間・同会場で開催されるようになったのですが、2021年をもって正式に合併化されることになりました。その名も「MUMEI Academy」。


ルールや参加資格等かなり一新されている模様です。

これまで無名戦とされていたものが、「Class A」「Class B」と名称変更。第6回無名戦エコノミー・ビジネスクラスよろしく、BMS制作経験はもちろん、これまでのDTM経験も吟味されてのクラス振り分けとなっています。

さらに、これまでA-1とされていたものが「Class C」と名称変更。こちらは従来のA-1の参加資格に加え、過去に参加した無名戦の順位、さらに商業音楽ゲームの公募の採用実績まで吟味するという、かなり挑戦的な試みを実装しています。「BMSイベントにBMS以外の活動も考慮するの~?」という意見も出そうではありますが、ここ近年での音ゲー・クラブミュージック周りでの作曲界隈における知名度形成の構造は、必ずしもBMSを隔てるわけではないという時代の変化を取り入れた故の、ルール改定と言えるでしょう。たぶん。

その他にも全体的な参加資格数値基準の変更、さらには運営陣による参加クラスの上昇移行、BMSの不備の事前チェック等、様々な施策が行われています。まぁ、くわしくは公式HP公式Twitterを確認してください(投げやり)。


なお、インプレ期間は6/28(月)までだったところを、7/5(月)まで延長されたとのこと。


ということで、MUMEI Academyの概要をサラッと紹介したところで本編に入ります。6/1にスタートしたインプレ期間も、気づけば残り一週間ということで、MUMEI Academy 2021に登録されたBMSのうち、私が特におすすめしたいBMSをシャッと紹介していきたいと思います。
クラスがA・B・Cと分けられていますが、クラスごとに何作紹介~とせずに、ここはあえてクラスとか関係なしに、単純に私が気になったBMSを取り上げていきます。ようは偏ります。俺はやりたいようにこのブログをやっていくぜ!!!

まだ作品を巡回しきれていない人に少しでも参考になってもらえれば幸いです。と言っても、全作品数のうち1/10ほどしか紹介できないのですが…。作品レビュー気力がいるのよ…。1イベントにつき8個とかが限界…。ゆるゆるBMSの準備も並行して行っているし(隙自イベ語)。
例の如く私の尖り気味な音楽趣味につき、あのBMSが紹介されてないやんけ!事案とか相次ぐとは思いますが、ご了承いただきたい。

紹介順は登録番号が若い順になります。

kika - KeiuO

http://manbow.nothing.sh/event/event.cgi?action=More_def&num=1&event=135
youtu.be

前回の無名戦の優勝作である「Gimme All The Cocaine - Futami」、BOFXVI個人スコア部門6/487位を獲得した「ゼイタクするまで抱きしめて - kei_iwata」などなど、ここ最近のBMSイベントにおいて上位を獲得しているBMSBGAを担当してきた個性派BGA作家KeiuOさんが、なんとBMS制作側として無名戦に名乗りを上げてきました。BGAで数多くの実績を出してても、BMS作家としての活動歴0 = 無名だから堂々と出場することができるんですね。
氏は自作ゲームのBGM制作、または自身が所属するサークル「UECDTM」「物理的で緩やかな連帯」にてコンピアルバムに参加するなど、元々は楽曲制作側での活動がメインだったんですね。

そんなKeiuOさんが得意とするジャンルはテクノ。ハードな音作り且つ徐々に展開を足していくスタイルを武器としており、今作「kika」でも、インダストリアルなスネアを用いられていたり、シンセのリフを徐々に変えていったりと、そのスタイルを遺憾なく発揮しています。

それに加えてBGAも自身で世界観を展開していく………と思いきや違う人がBGA担当している!一体誰だ!?俺だ!!!!!!!!!!
…一発目から私が関わっている作品の紹介になってしまうことを失礼します。なぜなら登録番号が1番だったから…。

こんな評価が出るほどの組み合わせ

現状BOFXVIIのチーム登録情報にテクノをコンセプトとしたチームが二つも登録されるほど、現代のBMSシーンにおいて再びテクノブームが巻き起ころうとしています。今作はそのブームの立役者となることができるのでしょうか。

The Grinder - ohon

http://manbow.nothing.sh/event/event.cgi?action=More_def&num=14&event=135

MUMEI Academyに本格的なPsytranceが登録されました。"圧"を感じる開幕に始まり、その後もプロ級の音作り、Psytranceの名に恥じない陶酔感、BMS化しても劣らないミックスと、まるで欠点がない高クオリティな作品となっています。曲尺が3分弱と音ゲーにしては長尺寄りですが、それもトランスというジャンルだからこそできる説得力と納得できますね。

このBMS制作をしたohonさんはBMS制作こそ今回が初めてですが、BMSプレイヤーとしての歴はそこそこ長いようで、さらに楽曲制作においても「felys Remix Compilation」にて「felys(ohon Remix)」がonoken賞を受賞する実績があるなど、まさに長年培ってきた経験が今回のBMS制作に反映されたのでしょう。

記事制作現時点(6/28)でトータル・アベレージ共に全クラスでトップを突っ走っています。このまま最後まで走り続け、優勝を果たすことはできるのでしょうか。

Earthpowerあるってばよ指先忍者 - にょろも

http://manbow.nothing.sh/event/event.cgi?action=More_def&num=17&event=135
youtu.be

ヤクザ系ギャグ漫画「極道一直線」に出てくる「じゃんけんにおいてどの手にも勝てるが微妙にズレてると国民中から吊るし上げに合う手『ニョロ』」が名前の由来と思われるにょろも氏による、2015年から続く「指先忍者」シリーズBMSが今年も公開されました。
2017年から2年間ブランクがあったものの、2018-2019年に開催された「BMSをいっぱい作る2019」に登録された「指先忍者 bravery_99.9%」を機に再始動、無名戦17登録作「指先忍者 the ultimate keystroke」でI know率38.64%と界隈中に指先忍者ブランドを浸透し始め、さらにBOFXVIにてBMSシーンにおけるミスBGAキャラクター純子先輩と謎のコラボレーションをするなど、年が増すごとに指先忍者シリーズの名が徐々に広まっています。

指先忍者シリーズは一貫してユーロビートの文脈で制作されており、今作もやはりユーロ系統のトラック構成が引き継がれていますが、指先忍者において何より欠かせないのがカオスな世界観。(恐らく)にょろもさん本人による手描きで描かれた指先忍者といらすとやの忍者素材という どうして絵柄を統一してないんだとツッコミ入れたくなる 組み合わせなどの、独特な動画素材の使い方に始まり、BGAに合わせた効果音をBMS上で鳴らせる、時事ネタを取り入れる、「師匠」と呼ばれるプレイヤー?のプレイ模様が流れる、何より見どころなのが最後に必ず指先忍者が死ぬなど、指先忍者シリーズを追っている人々にとってはもはやお馴染みの要素が盛りだくさんです。

今作はタイトルにあるEarthpowerということで、地力に焦点を当てたストーリー構成となっており、指先忍者の地力が試されるかの如く数々の忍者が襲い掛かってくる展開になっております。果たして今回指先忍者は最後まで生還できるのでしょうか。
なお、-overkill-という他の譜面とは展開がやや異なる譜面が同梱されているため、オートプレイ鑑賞でもいいので普通の譜面をプレイしたあとに視聴・プレイすることを強くオススメいたします。

また、記事制作現時点(6/28)でNot Air率は37/46*100=約80%とA-1出禁ラインピタリ賞!このままNot Air率をキープ、またはさらなる上昇を目指すことはできるのでしょうか。

Fake it - Centain

http://manbow.nothing.sh/event/event.cgi?action=More_def&num=33&event=135

BOFにおける「瞬足」チームの活躍など、変則的なリズムが特徴のクラブミュージックJuke/FootworkのBMSが増加傾向にあります。今回取り上げる「Fake it」も、7/8拍子という変拍子でおりなすJuke/Footworkであり、且つFuture bassなどの現代のクラブシーンエッセンスを積極的に取り入れています。

このBMSの作者であるCentainさんは、過去三度に渡ってA-1に出場しており、今回のMUMEI Academyをもって四度目のA-1出場となります。
4回もA-1に出場しているとなると、どうしてもTHE 空気の印象を抱いてしまうものですが、ここ最近のCentainさんは偽名「キメラのキタムラ」を機に、徐々に現代的なクラブミュージックの音作りを取り入れるといった、急激な作風の拡張性が見られます。そして今作「Fake it」は、そんなCentainさんの拡張ぶりの真骨頂を体現しているのではないでしょうか。

calming patterns to soothe the mind - Lollipop, with respect to Alexandre de la Fontaine

http://manbow.nothing.sh/event/event.cgi?action=More_def&num=40&event=135

今回で3度目のA-1参加となる、イージーリスニングBMS作家のLollipopさん。今作は使用楽器がピアノのみという、今までのスタイルを崩さないながらも、A-1というイベントにおいてはかなり挑戦的な姿勢で参加してきました。
しかし、ただのピアノオンリーと侮ってはいけません。生演奏させることを一切考慮していないかのような楽譜、ビームみたいな音の階段、まるで音と合っていない適当な演奏風景のBGAと、その模様はまさにカオス。そのカオスを構成する最たる要素は譜面。開幕停止ギミックという意地悪なスタートに始まり、生音系特有のズレ配置が全体を構成、先ほどのビームみたいな音を皿で鳴らす、突然の地雷など、様々な要素が各譜面ごとに配置されています。全部プレイしろとまでは言いませんが、色んな譜面をオートプレイ鑑賞することをオススメします(なぜオートプレイかというと、ふつうに難しすぎるので…)。

昨年のBOFXVIにて偽名で登録したBMS「uhhh guys my prostate just imploded」がGroundbreakingに収録されるという実績を取得したばかりですが、まだBMSイベントにおける実績は0という状況。今回のA-1で見事空気脱却となるのでしょうか。ちなみに記事制作現時点(6/28)でのNot Air率は34/41*100=約83%とA-1出禁ライン突破!この値をキープ、またはさらに増やしていきたいところ。

Teravolt - かんざきしおん

http://manbow.nothing.sh/event/event.cgi?action=More_def&num=45&event=135
youtu.be

かんざきしおんさんは、今年の年始に開催された「BMSをたくさん作るぜ'20」でBMS制作デビューした新人BMS作家です。しかし、初手で二作も登録しており、どちらもしっかりとした作りになっているなど、今年デビューしたばかりとは思えないほどのBMS制作の腕を見せてきました。

そしてMUMEI Academyに登録された今作は、正統派NRG系Trancecoreとなっています。音ゲー映えする展開を抑えつつ、随所に近年流行中のHi-TECH要素をドロップ的に用いることで、個性をしっかり持ったBMSへと昇華しています。

また、「BMSをたくさん作るぜ'20」のときはどちらもBGAなしという状態でしたが(非競争イベントだからというのもあるかもしれませんが)、なんと今回のBMSは(イラストを除いて)自身でBGA制作を担う、実はマルチクリエイターでしたというサプライズっぷりを披露してきました。最近本当に作曲も動画もできる人が増えてきましたねぇ。いいぞ。

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なお、会場コメントの各難易度の説明で全譜面発狂譜面か!?と身構えがちですが、おそらく各難易度とノーツの間にスペースを入れそこなっているだけと見受けられるので心配なく。

ハクセン - Dracaeum

http://manbow.nothing.sh/event/event.cgi?action=More_def&num=58&event=135

無名戦といえば、初公開ないし初作曲の時点ですさまじいセンスを持ち合わせている人が沸く現象がたまに観測されます。例えば、無名戦16の「Knindler - r」、無名戦13の「Grief_N_Delight - Tokiwa」などなど…。
そして、今回紹介する「ハクセン - Dracaeum」も、そのうちの一つの例となりうるかもしれません。

DracaeumさんはMUMEI Academyの参加表明期間にポッと現れた謎深き人物です。初ツイートもMUMEI Academy Class A参加表明報告と、まるで今回のMUMEI Academyのために用意したアカウントとでも言うかのような振る舞い。

そして実際に登録された作品がこちら「ハクセン」。聴いてもらえればわかるかと思いますが、Class Aの主な参加対象である作曲初心者とはとても思えないほどのクオリティです。様々な音源群を、1パート1パート詰め込み過ぎないよう、起承転結になるように巧みに配置し、さらにそれらのパートを違和感なくつなげるエフェクトなどのパートの移り方のうまさ、などのようなスキルがふんだんに詰め込まれています。

このクオリティにつき「Class Bでは…?」というインプレが現在進行形で相次いでいますが、これで初めての作曲ですと言われた日には参りましたと旗を振るしかありません。過去にBMS作ったことある人の転生後とも疑いましたが、このような作風の持ち主の候補が(私の中では)一人も思い浮かばなかったので、その線も薄いかもしれません。

Succubus - ですワ

http://manbow.nothing.sh/event/event.cgi?action=More_def&num=77&event=135

SerumやVitalなどのウェーブテーブルシンセの普及により、Neuro寄りのDnBやBass Musicをジャンルとして掲げているBMSが近年増加傾向にあります。

本記事で最後に取り上げるこちらの作品「Succubus - ですワ」もBass Music BMSの一つと数えられるでしょう。さらに、この作品ではBass Musicと親和性が高いと言われているMoombahton要素を絡み合わせることで、今イベントの中、いや、これまでのBass Music BMSの中でも一際異彩を放つ出来となっております。
ですワ(旧:ですわ)さんは、昨年の無名戦にも出場しており、そのときの作品「OhDa」では低音が弱いという酷評を得ていたのですが、今作はその低音面をしっかり前に出せているという成長ぶりも見られます。

また、ですワさんは、「OhDa」では全押し、第三回BMS衆議院選に登録した「吐露ピカル中毒」は音階を全部あえて逆にする、などの一つ一つのBMSにコンセプトを持って譜面を制作される傾向にあります。そして、今作「Succubus」ではLN複合をコンセプトとした譜面作りを徹底されており、プレイしていて脳汁ドッパァ間違いなしのやりごたえのある内容になっております。





以上で私が個人的にオススメするBMSを計10個紹介しました。上記のほかにもやりがいがある、クオリティの高い作品はまだまだあるので、会場を訪れて自身にとってお気に入りのBMSを見つけるのが良いでしょう。
繰り返しになりますが、インプレ期間は7/5までと残り一週間!毎年インプレ期間最終日に怒涛のインプレラッシュが発生して会場がクッソ重くなることが予想されます。インプレは計画的に行いましょう。



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ここで一旦CM


私 空読無 白眼が主催するBMSパッケージ企画『ゆるゆる』の新弾が今年もリリースされました!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
9domu46i.com


なんとすでに3パッケージ出ています。
いや~今回も中々充実した内容になっていますな。サイトも移転・新調したし。
今すぐプレイもよし!MA2021終わったあとにプレイもよし!今年を機に今までに公開された過去のパッケージを周回するのもよし!
DL & プレイよろしくお願いします!

なお、MUMEI Academyのインプレ期間終了後(7/6とか?)にあと一つパッケージをリリースする予定です。
続報を見逃すな!!!!!!!!!!!



そのうち収録作品個別紹介記事とか出したいね。言うだけタダ。