イベント外BMS紹介 2021年6月号

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創作とブログ活動の平衡は無理なんだなと肌で感じたぐらいには、BOFタスクが忙しくて一方ブログ更新が疎遠になってしまいました。その結果、イベント外BMS紹介が5ヶ月分も溜まる状態に陥ってしまいました。やば。
BOFXVIIの評価期間が始まり、現在のBMSの話題はBOF一色になっているこの頃でしょうが、それはそれとして今日からこのシリーズの更新をガツガツハイペースで作成していきます。

Beginning Prairie - Block

https://drive.google.com/file/d/15ix9Pk3JjvA8xfokg4BmOpw5OqGLzj8_/view?usp=sharing

5月は1ヶ月に5つもBMSをリリースするというハイペースな創作っぷりを見せたBlockさん。6月は2つBMSをリリースしてきました。
今作は笛やストリングス音源からなるヒーリングな雰囲気にTribalなローテンポ4つ打ちドラム構成のnew ageでございます。曲尺はわずか1分+αで楽しめる仕様になっています。ヒーリングとは言ったものの、最後はノイズ音を用いて何やら意味ありげな締め方をしています。
譜面はINSANEをプレイしました。ヒーリングな雰囲気とは裏腹に同時押し多めの筋肉譜面です。

mi/t - Block

https://drive.google.com/file/d/1KZiSCHZGfDE_fsKZTTxjLwRg421tVh68/view

続きましてはBlockさんお得意のテクノでございます。ストイック且つVGM寄りな音作りが良いですね。
HYPER譜面をプレイしました。ジャンル表記のMinimalらしく、譜面構成は繰り返し多め。長めの階段・トリルと癖をつかせるような配置の後に気合の縦連打が降ってくるという、MIDI鍵使いである私をピンポイントで殺すつもりか?と疑ってしまうほどの癖譜面でした。後半の割と散ってくれた配置で回復できてなかったら死んでたな…。

Jiggly kot kot - Nakaiankow + rat

https://www.dropbox.com/s/w1b1e6fdv9qte0p/nakaiankow_rat_jiggly_kot_kot.zip?dl=1
www.youtube.com
ratさんが運営するDiscordサーバー『癖譜面同好会』にて同梱譜面を大量につくる企画が密かに動いていました。『Jiggly kot kot - Nakaiankow + rat』はその企画のために用意された新作BMSです。
ジャンルはFunkot。NakaiankowさんはWORLD WARにて『Eternal Super Hyper Ultimate Doggo』を、ratさんは『For Long time BMS playersにて柴又のコピアレBMS』と、両名Funkotを制作した経験があります。
そして最も注目すべき同梱譜面数ですが、その数なんと28個!マジ?
どれをプレイしようか迷ってしまうほどのボリュームですが、自分はKhibineさん制作の[ココロヤスラグヒトトキ]をプレイ。なんでかというと差分名からなんとなくやさしそうな内容と感じ取ったので…。差分名通り安らぎながら楽しくプレイできました。

second x 2 - ArkaanDM or Arkaan Muyassar

https://www.dropbox.com/s/hrb1wikl1djhf5o/%5BADM%5Dsecond%20x%202.zip?dl=1
youtu.be
英語圏BMS関係の人が集うDiscordサーバー『BMS Community』には、Musician役職を得るには過去にBMSを制作した経歴があることを提示しなければならないルールがあるのですが、このBMSArkaanDMさんがMusician役職を得るために提示したBMSです。
ArkaanDMさんはインドネシア出身の、曲・動画ともに自身で制作される新人BMS作家とのこと(記事の下書き作ってから5ヶ月経った今では色んなBMSイベントで見かけるようになりましたが)。
楽曲はタイトルの「second」の通り、開幕は時計の秒針の音で始まり、その後は明るく愉快なメロディにハイテンポなブレイクビーツが奏でられます。
譜面ですが、NORMAL・ANOTHER譜面の判定がHARD、INSANE譜面に至っては同時押しマシマシの高密度でありながらVERYHARD判定という鬼畜仕様となっております。これクリアできる人いるんですかね?

No Clip - ArkaanDM

https://www.dropbox.com/s/age0p6jt5ek1gi1/%5BADM%5D%20No%20Clip.rar?dl=1
youtu.be
お次もArkaanDMさんによるイベント外BMSです。
BGAの壁で跳ね返っている球と連動するように、飛び跳ねるような音使いをしているのが特徴的な曲調です。
そして譜面についてですが、『second × 2』に引き続きこちらも最上位譜面はVERYHARD判定と鬼仕様となっています。判定関係なしにLNとLN皿の複合がエグイことになっているのに…。これクリア者出てくるんですかね。一方NORMAL譜面の判定はNORMAL、HYPER譜面の判定はHARDと、難易度ごと判定が厳しくなっていることから、#DIFFICULTYを#RANKと間違えて認識している説が濃厚。BMS作成初心者あるあるですね。

眠りの花束 - tarolabo & Sakuzyo

https://drive.google.com/u/0/uc?id=192r_emSD6pkfQtOV3qb78n5tPGsdh4oK&export=download
youtu.be
2021年最大のニュースです。2012年以来消息不明とされてきた、伝説のBMS作家tarolaboさんが奇跡の活動復活を遂げました。しかも、こちらも伝説級のBMS作家である削除さんとの合作という夢のコラボレーションを実現。一体どのように消息を割り当てたのかと気になる所ですが、どうやらtarolaboさん側から削除さん宛てにコンタクトを取ってきたとのこと。


ということで、BMSシーンに収まらず音ゲー全体で話題となったあまりにもでかすぎるニュースなので、自分が今更レビューする必要なんかないんじゃないかと怖気づいてきましたが、気を引き締めてレビューしていきます。

楽曲について、シンフォニックなインスト編成、ドラム隊・ノイズなどのFXといったエピックな編曲面については削除さんの味が出ていますが、序盤の静かなピアノによるどこか不穏げなメロディやその後の独特なコード進行は、数年経っても色あせることのないtarolaboさんのオンリーワンな作風が表れています。そして最注目するのは、曲の後半にやってくる歪んだシンセリードが奏でる怒涛のtarolaboメロディ!いやこれはたまらない!tarolaboファンの1人と自負する私はここで感情がぐっちゃぐちゃにかき乱されてモウモモウ。その後テープストップ風に段々劣化していくピアノ音とともに、落ち着きながらも壮大な雰囲気を残すストリングス音源群によって曲が終わる…。まるでtarolaboさん復活の様子を描いた映画を2分強の尺で一気に見たのような体験を味わいました。ちなみに、楽曲の各トラックを単体で書き出したStemファイル群も配布されているので、より緻密に曲を研究したい人にオススメです。
drive.google.com
BGA担当は、過去に『福音足る - NoE』『Sunken memory - Exsy』のBGA担当をされた、ディティールが細かくモノクロ~寒色寄りな3DCGを作風に持つ、BMSシーンにおいては新参のあるしさんが務めています。今回のBGAは本来色鮮やかなヒガンバナを楽曲の象徴としつつ、全体の配色をモノクロ中心に落とし込むことで、あるしさんの作風、もとい楽曲のもつ儚さが表現されています。

BMSについてですが、本来は楽曲とStemのみ公開されていたのですが、またまた伝説級のBMS作家LeaFさんが、後日そのStemを用いてBMS化してきました。つまり、各世代を代表する鬼才BMS作家3名がこのBMSのもとに集結したことになります。何かの最終回か?


計5つのSP譜面が同梱されている中、私はANOTHER譜面をプレイ。後半の怒涛のtarolaboメロディに合わせるようなラス殺し譜面がデザインされており、私もEASYクリアが精一杯の難易度となっております。

ちなみに、tarolaboさんは『眠りの花束』リリース後、自身のYouTubeチャンネルを開設し、いくつか動画を投稿しています。
youtu.beこちらはリズム天国ミニゲームの一つ『リズムーブ』に影響を受けて作成された実験音楽
youtu.beこちらはシミュレーションゲームのトレイラー風動画。「最終的には遊べる形にしたいです」と投稿コメントで述べていることから、今後はゲーム開発にまで手を広げていくのではないかと考えられます。tarolaboさんの復活の祝福とともに、今後の活動にも期待が高まるばかりです。

※2021/11/13 追記
とか言ってたらマジでゲームをリリースしてきました。
tarolabo.booth.pm
これは買いだ!!!!!!!!!!!!

ボクのだいすきなシュークリームのうた - うた・ローニィ 作詞作曲・吟世かいな

pupuly.nekokan.dyndns.info
pupulyからも1作紹介いたします。

こちらのBMSは、吟世かいなさんが運営する、ケモノキャラクター(またはリアルの動物も?)が主役となるBGI/BGAが定義されているBMSをまとめたコンセプト難易度表『ケモノBMS難易度表』の、開設から1周年を記念として開催されたTwiter上でのお祭り的企画『#ケモノBMS難易度表1周年記念』のために主催本人が制作されました。
#ケモノBMS難易度表1周年記念』の詳細についてはこちらの記事を要参照
kginse.hatenablog.com
曲調はみん〇のうたで放送されてそうな、ポップでやさしい曲調をしております。ボーカルはBGIに描かれているローニィくんが担当されているとのこと。中の人は一体誰なんだ…。
やさしい曲調に倣って、同梱譜面も比較的やさしい難易度帯に収まっています。BMS初心者向け、もといケモノBMS難易度表への導入として役割を果たすことでしょう。

Everlong - 世界のよーすく劇場

venue.bmssearch.net
youtu.be
こちらのBMSも『#ケモノBMS難易度表1周年記念』のために制作されたBMSです。
壮大な展開のファンタジーな三拍子楽曲に、複数の絵をアニメーションさせたBGAと、全体的にイベント外BMSとは思えないほどの本格的に作られた作品となっています。そもそも作者のYosk!さんは過去に87パターンものランダム分岐があるBMSを作ったり、41分も曲尺があるBMSを作ったりと、イベント外でも謎の本気を見せる人だったわ…。
BGAに出演しているキャラクターは、ジャンル表記にも掲げられている通りシャンティという名前のお化けの子とのこと。Mutual Faith 3に登録された『ファンタジアの空わたって』にも出ていましたね。
ところで、BMSが公開されたのはq/stolさんが運営する会場テストイベントなのですが、なんで私が過去にふざけて作ったチーム『おめめいぬ愛護団体』に登録しているんですかね…。

ドロシア ソウル - 石川淳, 大原萌

https://drive.google.com/file/d/1KTCBdTfsiNQ9j6eB_93KS8dh-_BJ382I/edit
youtu.be
『Everlong』の裏でひっそりと公開されていた、『タッチ!カービィ』のラスボス、ドロシアソウル戦BGMのコピアレBMSです。BMSを制作したのは同じくYosk!さん。ほぼ同時に2つBMSを公開するとかBMS制作意欲のお化けか?シャンティはお化けだね。
原曲の通り、ドラム隊のBraindance的な音作りが特徴的ですね。原曲時点で非常に音ゲーに向いてそう。
譜面はANOTHERをプレイ。後半の怒涛の多重階段が最大の関門です。

Title - KaziO

https://drive.google.com/file/d/1JLoR72hgJ9KAG38CwfZYe8BkYaccV9YL/view
こちらのドシンプルなタイトルのBMSは、先述の『second × 2』と同じく、Discordサーバー『BMS Community』にてMusician役職を得るために提示されたBMSです。
わずか1分で楽しめる曲尺に、ファンキーなアフロテクノ、そして最も注目すべきは同梱されている音源数が9つのみと、全体的にミニマルな構成になっています。一方でBGAは割と本格的に作られたモーショングラフィックとギャップを見せつけています。
制作者のKaziOさんはコロンビア出身のBMS作家。現在進行形で開催中のBOFXVIIにも出場されています。